企業における障害者の活躍、過去最高の雇用率を記録

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令和5年 障害者雇用状況の集計結果(北海道労働局)

北海道での障害者の雇用に関する最新の調査結果が発表されました。この調査は、「障害者の雇用の促進等に関する法律」に従い、毎年6月1日時点での障害者の雇用状況についてのデータを基にしています。対象となるのは、身体障害者、知的障害者、精神障害者を雇用している事業主です。

今回の調査では、民間企業(特に43.5人以上を雇用する企業)、公的機関、独立行政法人などが対象となりました。その結果、障害者を雇用する企業の数、実際の雇用率が過去最高を更新しました。具体的には、民間企業における障害者の実雇用率は2.58%に達し、法定雇用率を達成している企業の割合も53.1%に上昇しました。これは前年比で1.8ポイントの増加です。

一方で、公的機関では雇用率が前年を上回り、特に地方公共団体は実雇用率が2.74%に達しました。しかし、独立行政法人等においては、雇用障害者数と実雇用率が共に前年を下回る結果となりました。

調査によると、障害者を雇用する企業の全体数は3,895社で、これは前年よりわずかに減少しています。しかし、雇用されている障害者の総数は17,255人と、前年比で6.3%増加しており、これは記録的な高さです。特に、身体障害者、知的障害者、精神障害者の雇用が増加しています。

また、障害者を雇用している業種を見ると、生活関連サービス・娯楽業、医療・福祉、運輸・郵便業、卸売・小売業、製造業などが法定雇用率を上回っています。これらの業種では、特に卸売・小売業、医療・福祉業種での障害者雇用数が顕著に増加しています。

法定雇用率に達していない企業の中で、わずか1人の雇用で雇用率が達成される「1人不足企業」の割合は71.0%に上り、障害者を1人も雇用していない「0人雇用企業」の割合も60.6%となっています。

この調査結果は、障害者雇用に対する意識の変化や、障害者を積極的に職場に迎え入れる企業文化の醸成が進んでいることを示しています。今後も、障害者がより多くの職場で活躍できる環境を整えるための取り組みが期待されます。

北海道における障害者雇用の進展とその社会的影響

北海道における障害者雇用の集計結果は、地域の労働市場において大きな影響を与えています。障害者雇用の促進は、多様な労働力を活用し、包括的な職場環境を実現するための重要なステップとなります。北海道の事例からは、以下のような影響が見られます。

労働市場の多様性の増加: 北海道で障害者雇用率が向上していることは、労働市場における多様性の増加を示しています。障害を持つ人々がさまざまな業種で働くことにより、職場の多様性が高まり、異なる視点やスキルが組織内に取り入れられます。

社会的認知の向上: 障害者雇用が増加することで、障害に対する社会的な理解と認知が向上します。企業や公的機関が障害者を雇用することで、障害者が持つ能力や貢献を社会が認識しやすくなり、障害者に対する偏見が減少する可能性があります。

企業文化の変化: 障害者を積極的に雇用する企業は、より包括的で開かれた企業文化を築くことができます。これは、障害を持つ従業員だけでなく、全ての従業員に対する理解と支援を深めることにつながります。

法定雇用率の達成への動機付け: 北海道における障害者雇用の進展は、他の地域や企業に対しても法定雇用率の達成に向けた動機付けとなります。特に、法定雇用率を上回る実績を出している業種や企業は、他の組織にとって良い手本となります。

経済的効果の可能性: 障害者を含むより多くの人々が就労することで、消費者基盤の拡大や新たな市場の開拓など、経済全体にプラスの影響をもたらす可能性があります。障害者が働きやすい環境が整えられれば、彼らの経済的自立が促進され、地域経済にも貢献します。

北海道の障害者雇用の現状とその影響は、地域社会の包括性を高め、経済的な可能性を広げるという点で、非常に重要です。これらの進展は、障害者が社会のあらゆる分野で活躍できるような環境を整えるための基盤となります。

令和5年 障害者雇用状況の集計結果はこちら

⇒ 詳しくは北海道労働局のWEBへ

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